明けない夜明けを待つあいだ

私信。

お雛様の前で祖母に抱かれている、私の写真を見ていた。
今の、私の娘にそっくりな、小さな私。
数か月前に母から渡され、手帳に挟んでいた写真。
思い出すのは、祖母のしわしわの手。

野菜を洗う、しわしわの手。
とうもろこしをもぐ、しわしわの手。
洗濯物を干す、しわしわの手。
祖母の手は、働く手だった。

虫を追い払ってくれる、しわしわの手。
体を洗ってくれる、しわしわの手。
一歩前を歩く、繋いだ、しわしわの手。
そして祖母の手は、いつも私に優しかった。

怒りっぽい人だったというけれど、私にはそんな印象は全くない。
確かに子供の目線に下りてきて構ってくれるような人ではなかったし、
ものを買ってくれたりするようなおばあちゃんではなかったけれど、
私は祖母が大好きだった。
あの家ではいつも一緒に眠ったし、いつも一緒にお風呂に入った。
山にも田んぼにもついていった。私がまとわりつくのを邪魔にはしなかった。
山の中のあの家。たくさんの夏。
祖母には本当に、たくさん可愛がってもらった。

今朝、祖母が逝った。


見送りに行けなくて、ごめんなさい。
いつか、必ず娘を連れて挨拶に行くから。
たくさん、ありがとね。
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by sora_050 | 2011-02-28 23:57 | 今日のできごと

あたらしいあたしたち。
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