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「すばらしい新世界」 池澤 夏樹

再読。小説。

途上国へのボランティア活動をしている妻・アユミの友人の要望で、風力発電の技術協力をすることになった林太郎。ヒマラヤの奥地へ赴いた彼は、その国の文化や慣習に触れ、そこに暮らす人々に惹かれていく。留守宅の妻と10歳になる息子・森介とメールで会話をする日々が続いたのち、息子がひとりでヒマラヤまで迎えに来ることになる。

久々に読み返したくなったので。なーんと池澤氏の作品を読むこと自体が1年ぶり!我ながら意外だわー。それはともかく。
風力発電の開発に携わる技術者・林太郎が、灌漑用の小さな壊れない風車の開発を依頼され、ヒマラヤ山中にある架空の小国ナムリンに出向いて人々と触れ合う物語、なのですが、林太郎とアユミがメールのやりとりの中で世界のありかたを考えるのが主となる物語であります。風車のひゅんひゅんと風を切る音が聞こえてきそうな、心地よい静けさ。あたしは好きです。当事者であり傍観者である、冷静で熱い林太郎を中心に、感覚的なアユミさん、一風変わったところのある森介の家族の物語でもあるし、ボランティアや途上国について、そこで暮らす人々について、環境問題について考える物語でもある。共感する部分もあり、ん、と思う部分もあり。
この世界に何が本当に必要なのか、あたしたちに何ができるのか。

ところで。余談ですが、これってページ数が多いせいか、文庫本のくせに¥1100もするの!高くなーい?まぁ、読み応えは十分なんですが。

淡々とした温かさに満ちた物語。興味のある方は是非。



by sora_050 | 2006-06-09 13:44 | 読書紀行 | Trackback | Comments(0)
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